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平成27年第1回富谷町議会臨時会(開催日:8月12日)

更新日:2015年08月12日

平成27年第1回富谷町議会臨時会(開催日:8月12日)

会議録目次

臨時会会議録第1号

平成27年第1回臨時会目次

第1日目 8月12日(水曜日)

  • 会議録署名議員の指名
  • 会期の決定
  • 東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件
  • 富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件

平成27年第1回臨時会議事録(第1号)

平成27年8月12日(水曜日)

出席議員(20名)

  • 1番 森栄君
  • 2番 齊藤秀行君
  • 3番 高橋正俊君
  • 4番 小泉光君
  • 5番 菅原福治君
  • 6番 出川博一君
  • 7番 長谷川る美君
  • 8番 三浦邦夫君
  • 9番 浅野直子君
  • 10番 安住稔幸君
  • 11番 小川昌義君
  • 12番 細谷?二君
  • 13番 佐藤克彦君
  • 14番 山路清一君
  • 15番 磯前武君
  • 16番 渡邊俊一君
  • 17番 佐藤聖子君
  • 18番 永野久子君
  • 19番 相澤榮君
  • 20番 浅野幹雄君

欠席議員(なし)

説明のため出席した者

  • 町長 若生裕俊君
  • 副町長 大庭豪樹君
  • 企画部長 内海壯晃君
  • 総務部長 山田豊君
  • 福祉部長 小野一郎君
  • 建設部長 奥山育男君
  • 教育長 菅原義一君
  • 教育次長(教育総務担当) 小松巌君
  • 教育次長(生涯学習担当) 荒谷敏君

事務局職員出席者

  • 事務局長 亀郁雄
  • 次長 富澤裕
  • 主事 後藤秀樹

議事日程 第1号

 平成27年8月12日(水曜日) 午前11時00分 開会

日程 1 会議録署名議員の指名
日程 2 会期の決定
日程 3 東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件
日程 4 富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件

本日の会議に付した事件

議事日程のとおり 午前11時00分 開会
議長(浅野幹雄君) 皆さん、おはようございます。
  ただいまの出席議員は20名であります。定足数に達しますので、ただいまから平成27年第1回富谷町議会臨時会を開会いたします。
  この臨時会は、地方自治法第101条第2項の規定に基づく臨時会の招集請求により招集されることになりました。慎重に審議を尽くされ、町民の負託に応えられますようご期待を申し上げますとともに、議会運営につきましてもご協力をお願いいたしまして、開会の挨拶といたします。
  日程に入るに先立ち、諸報告をいたします。
  議長諸報告はお手元に配付のとおりです。
  なお、説明員の出席報告ほか関係資料については、事務局で保管しておりますので、希望の方は閲覧願います。
  これで諸報告を終わります。
  ここで、富谷町町長に挨拶を求めます。若生町長。
町長(若生裕俊君) 本日ここに、平成27年第1回富谷町議会臨時会が開催されるに当たり、一言ご挨拶を申し上げます。
  本臨時会につきましては、さきの6月定例会で継続審議となっておりました東日本大震災に係る見舞金等の取扱いに関する調査特別委員会及び富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査特別委員会の調査結果を踏まえまして、地方自治法第101条第1項の規定に基づき、議長からの請求に基づき臨時会を招集させていただいたものであります。
  町執行部といたしましては、調査結果を真摯に受けとめさせていただきたいと考えております。
  なお、今月30日に町議会議員の選挙が執行されることに伴いまして、本臨時会は改選前の議員の皆様とは最後の本会議であります。特に、既にご案内のとおり、今回の任期満了をもってご勇退される永野久子議員、細谷・二議員のお二方におかれましては、これまで町政の発展にご尽力されたことに対しまして深く感謝を申し上げます。永野議員におかれましては、昭和58年の初当選以来、連続8期32年間、細谷議員におかれましても平成11年の初当選以来、連続4期16年間と町民の負託を受け、ともに長きにわたり町勢発展にご尽力をいただきました。今後は、立場は変わりますが、お体をご自愛されるとともに、引き続き町政運営に対しましてご支援を賜りたく存じます。本当に長い間ありがとうございました。
  以上、ご勇退されます議員お二方への感謝と御礼を申し述べさせていただくとともに、選挙に臨まれる皆様方におかれましては、猛暑の中、厳しい戦いになろうかと存じますが、ぜひとも来月、再びこの場所でお会いできることをご祈念申し上げ、挨拶とさせていただきます。
議長(浅野幹雄君) これから本日の会議を開きます。
  議事日程につきましては、お手元に配付のとおりです。


     日程第1 会議録署名議員の指名
議長(浅野幹雄君) 日程第1、会議録署名議員の指名を行います。
  会議録署名議員は、会議規則第127条の規定により、1番森 栄君、2番齊藤秀行君、3番高橋正俊君の3名を指名いたします。


     日程第2 会期の決定
議長(浅野幹雄君) 日程第2、会期の決定を議題といたします。
  お諮りいたします。
  本臨時会の会期は本日の1日間にしたいと思いますが、ご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(浅野幹雄君) 異議なしと認めます。したがって、本臨時会の会期は本日の1日間に決定いたしました。


     日程第3 東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件
議長(浅野幹雄君) 日程第3、東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件を議題といたします。
  本件について委員長の報告を求めます。相澤委員長、登壇願います。
東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査特別委員会委員長(相澤 榮君) 東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査報告書を朗読いたします。朗読をもって報告にかえさせていただきます。
  大きい1番、特別委員会設置に至る経緯につきまして。
  町長より東日本大震災における災害見舞金等について、全国の町村会を通していただいていた見舞金の一部が適正に処理されることなく、現在に至っているという事実が判明し、その説明を議会にしたいとして議員全員協議会の開催要求があった。それを受け、平成27年5月12日、25日及び6月4日の3日間にわたり全員協議会を開催し、東日本大震災発生後の義援金受け付け開始時からの各種会議資料、帳簿関係写しなどを求めて、内容報告を受け、質疑を行い、さらに現職関係職員からも報告を受けたところ、それぞれの主張には食い違いがあり、なぜ通帳に1,653万円もの残額があったのかを明確にするまでには至らなかった。そこで、本町議会としてはこれらの事実関係を調査検証するため、平成27年第2回富谷町議会定例会において、地方自治法第109条及び富谷町議会委員会条例第5条に基づき、議長を除く全議員で構成する東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査特別委員会を平成27年6月10日開催の議会の議決により設置し、以下の項目について調査することとした。
  1、調査目的 東日本大震災に係る災害見舞金の取扱いについて
  2、調査項目
   (1)富谷町福祉部提出資料並びに富谷町企画部提出資料について
   (2)富谷町災害対策本部通帳内訳について
   (3)会議打ち合わせ、相談、研修、事業記録、富谷町災害義援金配分委員会議事録(ま
      たは記録)について。
   (4)その他必要事項について。
  大きい2番、調査内容及び結果について。調査の経過について申し上げます。
  第1回、平成27年6月23日火曜日14時50分から15時21分まで調査いたしました。今後の調査特別委員会の進め方についてです。
  第2回、平成27年7月6日月曜日10時から11時50分。災害見舞金に関する富谷町災害義援金配分委員会の状況について。参考人、千葉芳樹元副町長、欠席。参考人、千葉美智子元福祉部長、出席。説明員、荒谷 敏教育次長。
  第3回、平成27年7月21日火曜日10時から13時50分。(1)災害見舞金に関する富谷町災害義援金配分委員会の状況について。(2)災害見舞金の取扱いについて。参考人、若生英俊前町長、欠席。参考人、千葉芳樹元副町長、欠席。説明員、荒谷 敏教育次長。
  第4回、平成27年7月27日月曜日13時3分から13時38分。特別委員会のまとめについて。
  第5回、平成27年8月12日水曜日10時半から10時45分、特別委員会のまとめについて。
  2番目、調査方法及び内容について。
  (1)富谷町福祉部提出資料並びに富谷町企画部提出資料についての調査。
   ア、議員全員協議会において提出された上記資料及び議員全員協議会会議概要書、平成27年5月12日開催、平成27年5月25日開催、平成27年6月4日開催分により調査を実施。
   イ、説明員として内海壯晃企画部長、小野一郎福祉部長、安積春美長寿福祉課技術参事(前長寿福祉課長)、小山 温総務課長補佐(前経営企画課長補佐)、荒谷 敏教育次長(前企画部長)に出席を求め、意見聴取により調査を実施、また参考人として若生英俊前町長、千葉芳樹元副町長、千葉美智子元福祉部長を招致(議員全員協議会説明員を含む)したが、若生英俊前町長及び千葉芳樹元副町長については、参考人招致を承諾いただけず、両人からの意見聴取は実施できず。
   ウ、千葉元副町長については、諸事情によりとして電話連絡により欠席。若生前町長については、別添文書により欠席となり、配分委員会の状況及び見舞金の取扱いについての最終責任者である両人からの調査はできなかった。
   エ、町長、副町長の決裁が未決のまま、文書自体完結していたことや、配分委員会の議事録など未整備であったことや、災害見舞金1,653万円が活用されなかったことの指示系統の不明確なことなど事務処理上の問題点が判明した。
   オ、震災直後で忙しい中であったとしても、全国から寄せられた義援金、災害見舞金であることを考えると、各担当部署での意見の違いとしてだけで片づけられるものではない。現に4年も経過しているにもかかわらず、御礼の手紙すら発出していない等、見逃すことのできないことまで引き起こしている。
  (2)富谷町災害対策本部通帳内訳について。
   ア、上記調査方法と同時進行で調査を実施。
   イ、配分委員会が2回開催されているものの、配分委員会では通帳に残金があることについて誰も指摘しなかった。
   ウ、災害義援金通帳の義援金通帳管理帳簿と各科目別の入出金管理帳簿(「富谷町義援金受」「義援金受付団体」「宮城県災害対策本部」)として行われていた形跡がなかった。
   エ、1,653万円を別枠にするようにとする指示のためか、当該通帳の管理担当が不明確になっており、責任所在を明確にするまでには至らなかった。なお、通帳は総務課で開設した上で、会計課が金庫で管理していた。
  (3)会議打ち合わせ、相談、研修、事業記録、富谷町災害義援金配分委員会議事録(また
     は記録)について。
   ア、上記調査方法と同時進行で調査を実施。
   イ、当該配分委員会の議事録等が整備されておらず、当時の担当部長のメモが当時の記録として提示されたものだが、これらの記録から解明することはできず、文書管理や保管等について問題があることが判明した。
  (4)その他必要事項について、特になし。
  3番、調査結果。事前に会議録を全委員に配付を行い、その結果について全委員からあらかじめまとめの意見表明が行われた。その意見をまとめると以下のとおりである。
  ア、東日本大震災における災害見舞金等について、全国の町村会等を通していただいていた見舞金の一部が適正に処理されることなく、4年間も善意が生かされることなく、多額の災害見舞金が放置されていた責任の大きさを考慮すると、道義的にも何らかの対処が必要と考える。
  イ、今回の災害見舞金について別扱いにするように指示した、指示しない等の曖昧な部分があり、今後は記録をきちんと整理して管理する必要があるし、各部間の連携が希薄であったためと、部長会が十分に機能していなかったために起きた問題である。
  ウ、富谷町文書管理に関する規則等が守られていないことがはっきりしてきました。特に会議の議事録が必要である。
  エ、今回の富谷町災害対策本部通帳のような場合は、誰が見てもわかるような通帳管理台帳と科目別台帳等を作成して管理すべきである。
  オ、若生前町長の欠席理由書の中で、「負担金及び災害見舞金の事務につきましては、公明正大に執行したものであり、何ら不正不当を受けるべき点がないことを申し添えます」とあるが、そうであれば出席すべきであった。当時の責任者としての意識欠如そのものであると言われても仕方ない問題である。
  カ、今回の調査全体として判明した点は、若生英俊前町長のトップダウンの体質から出てきたものであり、職員からの意見が通らない状況により、今回のような問題が起きたものと思われる。
  キ、今回の問題が表面化したのは新町長が実施した平成27年4月の人事異動によって明らかになったものであり、旧体制のままであったら、どのような処理になったのか危険性を感じる。
  ク、金銭的に不正な点がなかったので、災害見舞金については町民のために有効利用になるよう対応が必要である。
  以上のことを踏まえ、特別委員会の結論は次のとおりである。
  (1)災害見舞金1,653万円が4年間もの間活用されることなく、通帳管理されていたことは重大な問題であったが、参考人の協力が得られず、その原因究明には至らなかった。執行部においては十分な反省に立ち、早急に再発防止に努められたい。
  (2)災害見舞金の入出金状況については、不正な点はなかったと認められるものの、善意として寄せられた災害見舞金の残金については、今後の処理手続等明確にし、早急に復興・復旧のために活用すべきである。
  (3)富谷町公文書管理規則、文書取扱規程や富谷町事務決裁規程が遵守されていないことが明確となったもので、これら例規を遵守すべきである。
  (4)指示系統の曖昧さや部局間の連絡調整の不十分さが今回の問題を引き起こした要因とも考えられるものであり、早急に改善を図るべきである。
  大きい3番、特別委員会調査報告書の提出。東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査特別委員会は、所定の調査を経て、ここに終了することとなったので、富谷町議会会議規則第77条の規定により、平成27年8月12日議長宛て報告書を提出するものである。
  資料については以下に示すとおりであります。よろしくお願いいたします。
議長(浅野幹雄君) これから質疑に入ります。質疑ございませんか。(「なし」の声あり)
  質疑なしと認め、これで質疑を終わります。
  お諮りいたします。
  本案は討論を省略し、採決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(浅野幹雄君) 異議なしと認めます。
  これより東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件を採決いたします。
  この採決は起立によって行います。
  本件はお手元に配りました委員会報告書のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
議長(浅野幹雄君) 起立全員です。よって、東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査の件は、委員会報告書のとおり決定いたしました。
  これで東日本大震災に係る災害見舞金等の取扱いに関する調査を終わります。


     日程第4 富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件
議長(浅野幹雄君) 日程第4、富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件を議題といたします。
  本件について委員長の報告を求めます。相澤委員長、登壇願います。
富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査特別委員会委員長(相澤 榮君) 富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査報告書を朗読をもって報告とかえさせていただきます。
  1、特別委員会設置に至る経緯について。
  平成27年第2回富谷町議会定例会における一般質問で、開発負担金に関する内容が取り上げられ、その際に明石台東地区の開発負担金が約2億9,000万円減免となった理由について、執行部より明確な回答が得られず、不明点が解消されなかった。このため、地方自治法第109条及び富谷町議会委員会条例第5条に基づき、議長を除く全議員で構成する富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査特別委員会を平成27年6月10日開催の議会の議決により設置し、以下の項目について調査することとした。
  調査項目、富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査。
  調査項目、(1)富谷町明石台東地区開発に伴い、富谷町開発指導要綱に基づく負担金が減免された事実に関する調査。(2)その他開発負担金に関する調査。
  調査内容及び結果について申し上げます。
  調査の経過については、第1回、平成27年6月27日火曜日13時30分から14時40分。今後の調査特別委員会の進め方について。説明員、内海壯晃企画部長。
  第2回、平成27年7月6日月曜日13時から15時55分。富谷町明石台東地区開発支援要望に対する回答に至った経緯について。説明員、小野一郎福祉部長。説明員、奥山育男建設部長。説明員、鴇 謙一都市整備課副参事。
  第3回、平成27年7月21日火曜日10時から13時50分。富谷町明石台東地区の開発支援要望に対する回答に至った経緯について。参考人、若生英俊前町長、欠席。説明員、荒谷 敏教育次長。
  第4回、平成27年7月27日月曜日13時50分から14時40分。調査特別委員会のまとめについて。
  第5回、平成27年8月12日水曜日10時半から10時45分。調査特別委員会のまとめについて。
  2番、調査方法及び内容、結果。本調査特別委員会は、明石台東地区の宅地開発が着手された当時の関係部課長(計4名)への質疑によって得た調査内容を以下のとおり整理し、報告する。なお、参考人として出席を要請した若生英俊氏は欠席した。
  (1)開発指導要綱に基づく負担金の性格及び要綱の役割について。
  本調査特別委員会は、調査を進める中で、富谷町開発指導要綱に基づき開発事業者に負担金を要請してきたことが、今日の富谷町発展の礎となってきたとの認識を深めた。したがって首長を初め町執行部には当然のこととして要綱遵守が求められることとなる。「指導要綱に基づく開発負担金があることによって、本町では都市計画税を課していない」との元町長の発言が紹介されたが、これは開発指導要綱の真髄を示すものと言える。
  調査の中で説明員は、協定も契約の一つであり一定の義務が生じると説明しており、要綱に基づく開発負担金が会計上は寄附金として歳入される場合でも、事前協議を経て協定書を締結した場合の負担金は、任意の寄附金とは異なり、義務的性格を持つことが確認された。
  明石台東地区開発に際して下水道施設整備負担金及びごみ処理施設整備負担金の合計額2億9,000万円が免除された事実に関して委員から、「資金繰りが苦しい中でも、事業費の圧縮等により、まともに負担金を納めたこれまでの事業者に対して説明がつかない。」「指導要綱は財政面でもまちづくりの面でも生命線であり、今回の措置は悪しき前例ではないか」等、開発指導要綱の役割を軽視した今回の措置への危惧、危機感が表明された。
  (2)開発負担金免除の決定に至る経緯について。
  説明員として出席した関係部課長は、町長を本部長とする富谷町企業立地住環境整備推進対策本部の会合に招集され、明石台東地区開発に伴う開発支援要請についての協議に2回参加している。協議では、支援の内容に関してどの程度の減免を行うか等、一定の検討もされたが、関係部課長全員が最終決定には参加していないと説明している。最終的な判断は前町長のトップダウンで決められたことが今回の調査ではっきりした。
  委員からは、「これほど大きな金額の免除を町長1人の裁量で決定してよいものか。裁量権を超えている。」「各課からの検討を無視し、議会にも何の相談もなく多額の金額を免除したことは、前町長の政治姿勢や執行体質によるもの」との批判が相次いだ。
  また、「開発負担金免除を検討する場合には、先方からの事業費の内訳内容確認や複数社から見積もりをとるなどが常識だが、それを怠った責任は非常に大きい」との指摘もあった。免除決定が町組織としての総意であったかどうか、その手法に問題はなかったか、さらに検証する必要がある。
  (3)開発負担金免除の目的について。
  開発負担金免除の目的については、最終決定をした前町長本人の説明がなく、理由書等も残されていないため現時点では不明である。説明員は「市制移行に向け、人口5万人をクリアするため人口増を図った」としているが、委員からは「現時点で明石台東は1,000人まで人口がふえていない。開発を急がなくても十分クリアできたのではないか。」「市制に向け開発を急ぎ過ぎたのではないか」などの見方が出され、開発負担金免除の効果について疑問視する意見もあった。なぜ全額免除になったのかという点については依然として不明であり、前町長の説明が不可欠となっている。
  (4)負担金免除が及ぼす町財政及び住民負担への影響について。
  宅地開発に伴う開発負担金は、これまで下水道施設整備負担金は吉田川流域下水道の管路整備、処理場整備と将来的な対応としての施設整備負担金に充てられてきた。説明員は、その分がなければ当然税によって補?、負担が出てくると述べ、住民負担にはね返ることを認めている。委員からは、「行政サービスの低下を招く」との指摘があった。
  また、ごみ処理施設整備負担金については、松森工場の建設負担金として毎年2億円前後を仙台市に負担しているが、その財源などとして負担金を充ててきた。説明員は「今回の明石台東地区の分は、ごみ施設整備負担金ゼロだったので、一般財源から負担した」と説明し、町財政への影響を認めた。松森の負担金は平成32年ぐらいまで納める契約になっている。また、粗大ごみ施設なども老朽化しており、更新しなくてはならないなど、松森が終了した後も施設整備などの課題が出てくるので、その財源として負担金が必要となる状況が明らかになった。
  「2億9,000万円の免除は1世帯当たりおよそ1万6,000円を開発事業者に寄附したことになる」という意見があるように、負担金免除が富谷町財政に多大のマイナスをもたらしたと同時に、住民への負担という側面も軽視できないことが明確になった。行政の公平性担保や過去の開発者が町に抱く不信感、将来の開発業者への対応などに大きな禍根を残したことは否めず、引き続き実態の把握が求められる。
  (5)今後の調査及び対策について。
  調査特別委員会では今後について、「前町長の政治的判断で町財政の歳入に穴をあけた。損害賠償を求めるべきだ」「負担金免除は結果として税金による支出を招いた。責任を追及すべきだ」「町民と富谷町に大きな損害を与えた事件であり、町当局は損害賠償も含め考えるべきだ」等の意見が多く出された。さらに、「共同開発事業体の経過報告では、販売単価が当初の計画より大幅にふえ、全宅地面積およそ5万坪で推計すると、およそ26億円を超える利益が生じていると見込まれる。開発負担金の減免分をすぐにでも返してもらうべきではないか」「当時の町長にその責任を担っていただく必要がある」など、反省を求めるだけではなく、法的手段を講じることも必要との意見が相次いだ。
  負担金を払わなくてもいいという既成事実をつくったことが、富谷町への信頼を失墜させたという事実を重く受けとめ、信頼回復の手段として何らかの厳しい対応が不可欠との認識が示された。今後の開発にかかわる町の対応に関して、条例化の必要性を指摘する意見も出されている。
  (6)文書管理のあり方。
  本委員会の調査を通じて、平成22年1月22日付及び平成23年1月20日付で事業体から提出された明石台東地区開発に関する要望書と平成23年6月6日付の町長名による回答書の原本が紛失していることが確認された。委員からは、要望書の原本なしに回答書を出していることになり、これは重大な事務事故であるとの指摘があった。負担金免除の最大の理由となった文書及び町が正式に相手方に回答した文書のいずれもが原本紛失という事態は、単なる文書管理の問題ではなく、関係者が意図的に書類を持ち出したのではないかとの疑念を抱かせる原因にもなっている。文書管理体制の対策強化は当然のことだが、重要文書がなぜ紛失されたのか、今後の徹底的な究明が必要となっている。
  (7)若生英俊氏の調査特別委員会欠席の理由書に関して。
  若生英俊前町長は参考人として特別委員会に出席することを拒否された。その理由を述べた文書では、宅地開発負担金等に関する調査特別委員会については、富谷町オンブズマンから差しとめを求める住民監査請求が提起されている状況にあるとし、開発負担金は要綱に基づく任意の寄附であるとして、また、「何ら不正不当の指摘を受けるべき点がない」とし、「どうしても調査が必要であるならば、政治的中立な立場の第三者による検証の場を希望」するとしている。
  しかし、富谷町オンブズマンによる住民監査請求は本調査特別委員会の調査停止を求める内容であり、町民の負託に応えた事実の究明を阻む結果となる。また、本件のような行政に関する重要問題が生じた場合、客観的立場で事実を検証、究明することこそ議会議員の使命である。これを第三者に委ねるとすると、立場は議会制民主主義を軽視するものと言わざるを得ない。さらに、開発負担金が単なる任意の寄附ではないことは上述したとおりである。調査を通じて明らかになったのは、開発負担金免除の最終判断を行った前町長の調査特別委員会への出席拒否により、関係者の十分な質疑を行うことができず、事実解明に向けた調査に支障を来したという点である。
  (8)調査の結果、以下の点について引き続き究明が必要となった。
   ア、開発指導要綱の果たす役割に関する町当局の認識について。
   イ、開発負担金免除の決定に際して町当局としての総意は反映されたか。
   ウ、開発負担金免除の目的は何だったのか。その目的は達成されたのか。
   エ、今後の開発に際して行政としての公平性担保や信頼回復をどのように進めるのか。
   オ、損害賠償等法的措置も含めた今後の対応について、どのように考えるか。
   カ、3つの重要文書がなぜ紛失したのか究明するとともに、責任の所在を明らかにすることが必要と考える。
  以上により、明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査特別委員会は、新たな構成に基づく議会において引き続き調査を実施することを申し送ることとする。
  大きい3番、特別委員会調査報告書の提出。
  富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査特別委員会は、所定の調査を経て、ここに終了することとなったので、富谷町議会会議規則第77条の規定により、平成27年8月12日議長宛て報告書を提出するものである。
  資料については以下に示すとおりであります。よろしくお願いいたします。
議長(浅野幹雄君) これから質疑に入ります。質疑ございませんか。(「なし」の声あり)
  質疑なしと認め、これで質疑を終わります。
  お諮りいたします。本案は討論を省略し、採決することにご異議ございませんか。
     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
議長(浅野幹雄君) 異議なしと認めます。
  これより富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件を採決いたします。
  この採決は起立によって行います。
  本件は、お手元に配りました委員会報告書のとおり決定することに賛成の議員の起立を求めます。
     〔賛成者起立〕
議長(浅野幹雄君) 起立全員です。よって、富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査の件は、委員会報告書のとおり決定をいたしました。
  これで富谷町明石台東地区開発に伴う「宅地開発負担金」の減免に関する調査を終わります。
  平成27年第1回富谷町議会臨時会は、終始熱心な審議を経て、全ての議案を議決いたしました。
  これで本日の日程は全て終了いたしました。
  この際、本日が任期満了前の最後の議会となりましたので、先例に従い一言ご挨拶申し上げます。
  顧みますと、現任期は東日本大震災発生後に始期を迎えたところから、町民生活の安定が第一と捉え、町執行部と議会が一丸となって町民とともに復旧・復興に取り組んだ4年間であったと感慨深いものがあります。さらに、地方分権の進展に伴い議会基本条例を制定し、開かれた議会の一つとして報告会を開催したほか、一層の議会活性化を目指し、積極的に議会改革に取り組んできた4年間でもありました。
  今期をもって勇退される議員におかれましては、長年にわたる議員活動のご労苦に対し、心より敬意を表します。今後とも議会に対しご指導、ご助言を賜りますようお願い申し上げ、あわせてご活躍をお祈り申し上げます。
  また、次の選挙に立候補を予定されている議員におかれましては、ぜひとも当選され、再びこの議場に参集されますようご検討をお祈り申し上げます。
  最後に、皆様方におかれましては、円滑な議会運営にご協力をいただいたことに心から感謝を申し上げ、閉会の挨拶といたします。
  議会を閉じます。
  平成27年第1回富谷町議会臨時会を閉会いたします。
  ご苦労さまでした。
     午前11時43分 閉会

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